空き家の買取は、不動産会社や買取業者が売主から直接物件を買い取る方法です。買い手が見つかるまで待つ仲介と違い、価格に納得できればそのまま契約に進めるため、数週間で現金化できます。この記事では、空き家買取と仲介の違い、買取相場の考え方、買取業者の選び方、手数料と費用、買取に向いている空き家の特徴を解説します。
先に結論
- 買取は「早く・確実に・手間なく」売る方法で、価格は仲介で売った場合の6〜8割程度が目安です
- 残置物が残ったまま、再建築不可、相続登記が未了といった物件でも買取なら売れることがあります
- 買取では売主の契約不適合責任が原則免除され、売却後に修繕費を請求される心配がありません
- 査定は複数社から取り、買取価格だけでなく差し引かれる費用の内訳を書面で確認しましょう
- 仲介で売った場合の想定価格も同時に出してくれる業者なら、損をしない判断ができます
第1部:空き家買取と仲介の違い
空き家を売る方法は、大きく「仲介」と「買取」の2つです。
仲介は、不動産会社が買主を探し、売主と買主の間に入って契約をまとめる方法です。市場価格に近い金額で売れる可能性がある一方、買主が現れるまで数か月から1年以上かかることも珍しくなく、その間も固定資産税や管理の手間は続きます。内見のたびに片付けや立ち会いが必要で、売却後に雨漏りやシロアリが見つかれば、契約不適合責任として売主が修繕費を負担する場合があります。
買取は、業者が自ら買主になる方法です。価格は仲介より低くなりますが、査定から決済までが早く、残置物の処分や解体を業者側が引き受けるため、売主は現地に行かずに手続きを終えられます。業者が転売や再生を前提に買うため、契約不適合責任は原則として免除されます。
どちらが得かは物件次第です
駅に近く状態の良い家なら仲介で売る方が手取りは多くなります。逆に、田舎で買い手がつきにくい家、残置物が多い家、建物が傷んでいる家、相続人が複数いて早く現金で分けたい場合は、買取の方が結果的に得になることが多いです。
第2部:空き家の買取相場の考え方
買取価格は、おおまかに次の式で決まります。
買取価格は、再販できる見込み価格から、解体や修繕、残置物撤去の費用と、業者の利益と経費を差し引いた金額です。
このため、同じ家でも「更地にして土地として売る」のか「リフォームして住宅として売る」のか「海外の購入者に古民家として売る」のかで、買取価格は大きく変わります。木造住宅の解体費用は坪3万〜5万円が目安で、30坪の家なら100万〜150万円程度です。残置物の処分も数十万円かかることが多く、これらが買取価格から差し引かれます。
一般に買取価格は仲介で売れる価格の6〜8割といわれますが、地方の空き家では土地の評価が低く、解体費用の方が高くつくため、買取価格がほとんど付かないケースもあります。逆に、古民家としての価値や海外の買い手の需要を評価できる業者なら、更地価値より高い査定が出ることもあります。
第3部:買取業者の選び方
1. 複数の業者に査定を依頼する
買取価格は業者の再販ルートによって差が出ます。最低でも2〜3社に査定を依頼し、価格の根拠を比べましょう。
2. 差し引かれる費用の内訳を確認する
「買取価格」の数字だけでなく、登記費用、残置物撤去、解体、仲介手数料や買取手数料など、何がいくら差し引かれ、最終的に手取りがいくらになるかを書面で確認します。追加費用が発生する条件も事前に聞いておきましょう。
3. 仲介で売った場合の価格も聞く
誠実な業者は、買取価格と並べて仲介で売った場合の想定価格を示してくれます。差が小さければ買取、差が大きく時間に余裕があるなら仲介という判断ができます。
4. 難しい物件の実績を確認する
再建築不可、市街化調整区域、農地付き、境界未確定、相続登記未了、共有名義といった物件は、扱える業者が限られます。似た物件の買取実績があるかを確認しましょう。
5. 契約書の条件を確認する
契約不適合責任の免除、引き渡し時期、残置物の扱い、手付金と違約金の条件を確認します。契約を急がせる業者や、査定額を提示したまま減額を繰り返す業者は避けてください。

第4部:買取にかかる手数料と費用
買取では仲介手数料がかからないのが一般的ですが、業者によっては買取手数料や事務手数料を設定しています。当社の場合、買取価格から差し引くのは、登記費用、残置物撤去や解体などの実費と、買取手数料(買取価格の3%+6万円、税別)のみで、追加費用は事前に書面でご説明します。
このほか売主側にかかる主な費用は次のとおりです。
- 売買契約書の印紙税(契約金額500万円超1,000万円以下なら軽減後5,000円など)
- 抵当権が残っている場合の抹消登記費用
- 相続登記が未了の場合の相続登記費用(登録免許税は固定資産税評価額の0.4%)
- 売却益が出た場合の譲渡所得税(相続した空き家は3,000万円特別控除が使える場合があります)
なお、2024年7月から、売買価格800万円以下の低廉な空き家を仲介で売る場合、仲介手数料の上限は売主・買主それぞれ30万円(税別)までと改正されています。仲介で売る場合はこの点も確認しましょう。
第5部:買取に向いている空き家の特徴
- 相続した実家が遠方にあり、片付けや管理に通えない
- 家財や仏壇などの残置物がそのまま残っている
- 築年数が古く、雨漏りや傾きがあり、修繕費をかけたくない
- 再建築不可、市街化調整区域、農地付きなどで仲介では買い手がつきにくい
- 相続人が複数いて、早く現金化して分けたい
- 海外に住んでいて、日本での手続きに立ち会えない
第6部:当社の空き家買取の流れ
当社では、スマートフォンで撮影した動画と数点の書類をお送りいただくだけで、3営業日以内に机上査定をお出しします。買取価格と、仲介で売った場合の想定価格の両方をご提示するので、比較したうえでお決めいただけます。必要に応じてスタッフが現地を確認して価格を確定し、売買契約は郵送やオンラインでも締結できます。決済日には、手数料と実費を差し引いた金額を一括でご指定の口座(海外口座も可)にお振込みします。
海外の購入者向けに日本の古民家や空き家を販売しているため、「解体して更地にするしかない」と言われた家でも、建物の価値を評価できる場合があります。
まとめ
空き家の買取は、価格より「早さ・確実さ・手間の少なさ」を重視する方に向いた売り方です。買取価格は仲介の6〜8割が目安ですが、差し引かれる費用と最終的な手取りを比べなければ損得は分かりません。複数の業者から査定を取り、仲介で売った場合の価格も併せて確認し、契約条件を書面で確かめたうえで進めましょう。
