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外国人への売却

古民家・空き家を外国人に売る:海外の買い手に人気の理由と売却の流れ・相場

「解体するしかない」と言われた田舎の家に、海外からの需要があります。外国人への売却のしくみと注意点をまとめました

Global Bridge 資産の相談所 · 2026年10月更新

改修された日本の古民家

日本の空き家や古民家を買いたい外国人が増えています。円安で日本の不動産が割安に見えること、外国人でも日本の土地と建物を制限なく所有できること、そして茅葺きや梁のある古民家そのものへの憧れが背景にあります。国内では買い手がつかない田舎の家でも、海外の購入者にとっては魅力的な「日本の家」です。この記事では、外国人が日本の空き家を買える理由、人気の家と地域、売却の流れ、価格の考え方、所有者が気をつけたい点を解説します。

先に結論

  • 外国人や海外在住者は、日本の土地・建物をビザや国籍に関係なく所有できます
  • 英語圏では「akiya」「kominka」が検索語として定着し、海外からの問い合わせが年々増えています
  • 人気があるのは、古民家らしい意匠のある家、海や山が近い家、観光地や都市から2時間圏の家です
  • 売却の流れは日本人に売る場合と同じで、宅建業者の重要事項説明と司法書士の登記が必要です
  • 更地にする費用を差し引くと値が付かない家でも、建物に価値を見いだす買い手には高く売れることがあります

第1部:なぜ外国人が日本の空き家を買うのか

日本の法律では、外国人や日本に住んでいない人でも、日本人と同じように土地と建物の所有権を取得できます。国籍による制限も、購入のための許可もなく、所有に期限もありません。所有しても在留資格(ビザ)は得られませんが、観光目的なら多くの国の国民が90日までビザなしで滞在できるため、別荘や長期滞在の拠点として買う人が増えています。

さらに、2022年以降の円安で、海外から見た日本の不動産価格は大きく下がりました。1ドル160円前後の為替では、300万円の家は約1万9,000ドルです。欧米の都市で住宅を買うのが難しくなった人にとって、日本の田舎の家は「庭付きの一戸建てが車1台分の値段」に映ります。

英語圏では「akiya(空き家)」「kominka(古民家)」が検索語としてそのまま使われるようになり、空き家を紹介する英語のサイトやSNSも増えました。当社の英語サイトにも、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、アジアの購入希望者から問い合わせが届いています。

第2部:海外の買い手に人気の家と地域

人気の家

  • 茅葺きや瓦屋根、太い梁、土間、縁側など、古民家らしい意匠が残っている家
  • 蔵や離れ、広い庭、畑などが付いている家
  • 海や山が見える、温泉が近いなど、場所そのものに魅力がある家
  • 民泊やゲストハウス、カフェ、アトリエに転用できそうな家
  • 構造がしっかりしていて、内装を自分で直す余地がある家

人気の地域

  • 東京から2時間圏の千葉(房総)、茨城、栃木、山梨
  • 長野、岐阜、新潟などの山間部とスキー場周辺
  • 京都・奈良の周辺、兵庫、岡山、広島の里山
  • 四国、九州、日本海側の海沿いの町
  • 北海道と沖縄

日本人の買い手が敬遠しがちな「駅から遠い」「築年数が古い」「田舎すぎる」といった点は、海外の買い手にとっては必ずしも欠点ではありません。逆に、再建築不可、土砂災害警戒区域、農地が含まれる、境界が未確定といった法律上の問題は、外国人の買い手にも同じように影響します。

大型の茅葺き古民家

第3部:外国人に売るときの流れ

売却の手続き自体は、日本人に売る場合と変わりません。

1. 査定と売却方法の決定

当社のように海外の購入者向けに販売している会社に査定を依頼します。動画と書類で机上査定ができ、海外の買い手に向けた販売価格と、当社が買い取る場合の価格の両方をご提示します。

2. 販売活動(仲介の場合)

英語での物件紹介ページを作り、海外の購入希望者に向けて販売します。購入希望者はオンライン内見や現地見学を経て購入を申し込みます。買主が海外在住の場合、売買契約や決済は代理人を通じて行うことも多く、日本に来ずに購入する例もあります。

3. 重要事項説明と売買契約

提携する宅地建物取引業者が重要事項説明を行い、売買契約を締結します。契約書は日本語が正本で、買主向けに英訳を添えます。

4. 決済と所有権移転登記

決済日に代金を受け取り、司法書士が所有権移転登記を申請します。買主が海外在住の場合、住民票や印鑑証明書の代わりに本国の公証人や在外公館で取得した宣誓供述書やサイン証明書を使います。2024年4月からは、海外在住の所有者は国内の連絡先となる人や会社を登記に記載する制度も始まっています。

売主が海外に住んでいる場合

売主が非居住者の場合、買主は売買代金の10.21%を源泉徴収して税務署に納める義務があります(買主が個人で、1億円以下の自宅用の購入は除く)。売主は翌年に確定申告をして精算します。相続した実家を海外から売る方は、この点と納税管理人の選任を事前に確認しておきましょう。

第4部:価格の考え方と買取との違い

国内の一般的な査定では、古い建物の価値はゼロとみなされ、土地の価格から解体費用を差し引いた金額が売却価格の目安になります。地方では解体費用の方が高く、「値が付かない」と言われる家も少なくありません。

海外の買い手向けの販売では、建物そのものに価値があるため、同じ家でも評価が変わります。当社の販売物件では、山里の農家が380万円、海まで徒歩10分の平屋が290万円、蔵付きの屋敷が650万円、都心から2時間の大型の茅葺き古民家が1,280万円といった価格帯で紹介しています。もちろん、建物の状態や立地によって値が付かない家もあります。

早く確実に手放したい場合は、当社が買い取る方法もあります。買取価格は販売価格より低くなりますが、残置物の処分や解体の手配を当社が引き受け、決済日に一括でお支払いします。

第5部:所有者が気をつけたい点

  • 業者を選ぶときは、海外の買い手への販売実績と、宅建業者・司法書士との連携体制を確認しましょう
  • 「外国人に高く売れる」と言って着手金や広告費を先に請求する業者には注意が必要です
  • 農地が含まれる場合は、農地法の許可が必要で、外国人に限らず売却に制限があります
  • 境界や越境、私道の通行権など、売却前に整理できる問題は整理しておくと、買い手が付きやすくなります
  • 相続した家の場合、相続登記を済ませ、3,000万円特別控除の期限(相続から3年目の年末)を意識して進めましょう

まとめ

日本の空き家や古民家は、国内では買い手がつかなくても、海外の購入者には魅力的な「日本の家」です。外国人は日本の不動産を制限なく所有でき、円安で割安に見えることから、需要は年々増えています。売却の流れは日本人に売る場合と同じで、宅建業者の重要事項説明と司法書士の登記で安全に進められます。「解体するしかない」と言われた家でも、建物の価値を評価できる売り先を知ることで、結果は変わります。

本記事の内容は執筆時点の情報です。為替、税制、法律は変わることがありますので、実際のご判断にあたっては各機関の最新情報や専門家にご確認ください。

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